83年の単行本「まるく笑ってらくごDe枝雀」の文庫化(ちくま文庫)。なぜかAmazonでは見つからない。
速記5本と、小佐田定雄との対談が交互に出てくる構成。
枝雀ファンにとってこの本が特別なのは、対談部分で枝雀の笑いの理論が徹底的に解説されているところ。「笑いとは緊張の緩和である」というところから、サゲの四分類(ドンデン、謎解き、へん、合わせ)まで。
あくまでも聞き手がどこで快感を感じるか、という視点での分析。目的意識も明確で、新作を作るときや興行の中でのバランスをとるのに使うことを考えていたようだ。巻末には、主要な演題のサゲの分類表までついている!
小佐田氏も当時の落語界の一部に対してかなりシビアなことを言っている。スタイルは笑いにくるんでおだやかなんだけど。
枝雀ファンならぜひ読むべき。