ポールじいさん、大丈夫でしょうか。
ポール・マッカートニーとアヴァンギャルド・ミュージック -ビートルズを進化させた実験精神 イアン ピール Ian Peel ストレンジデイズ 2004-07 |
原書:The Unknown Paul McCartney: McCartney and the Avant- Garde
一般的なイメージと違うポールが浮かび上がってくるつくり。音楽の実験は一貫してやり続けているのだが、基本的に別名義だったり匿名だったりというのは、名声が巨大すぎるこの人ゆえの問題かも。
直接関わってくる周辺のシーンが非常に幅広くて、現代音楽、プログレ、サイケデリック、詩(というかギンズバーグ周辺)、アンビエント、チルアウト みたいなところでいろんな名前が出てくる。まあ、そうなるわな、キャリア長いし、ポールだし。
ビートルズ未発表の「 カーニヴァル・オブ・ライト」に1章が割かれている。
The Fireman (The Orb の Youth とのユニット) は 1st, 2nd それぞれ1章。
自作品のリミックスやThe Fireman、コラージュ作品では「自分の素材だけを使う」というルールをずっと用いているみたいだ(リミキサーにもその制限を課す)。
しかし、90年代以後のポールのこと、ほんと全然知らなかったなぁ。。
ほか、本筋と違うところで ポールとPeter Gabrielがデモを作ったことがあるとか、トンプソン・ツインズ, OMDが変名でリリースした作品があるとか、完全に忘れていたクラプトンの黒歴史(?) T.D.F. とか、ハッとさせられるところが多い本であったよ。