カリフォルニア・ドールズ @ KAWASAKIしんゆり映画祭

ロバート・アルドリッチ監督作。権利関係で日本ではDVD化されそうもなく(2014/3追記 出るよ)、今回をもって上映権も切れてしまうらしい。
去年やってたのを( OUTSIDE IN TOKYO / 祝!ロバート・アルドリッチ『カリフォルニア・ドールズ』『合衆国最後の日』同時公開)見逃してしまっていたのだが、嬉しい事に KAWASAKIしんゆり映画祭 で最後の上映をしてくれているので行ってきた。場内は盛況だった。若い人も多かったな〜。

 

→ …All the Marbles (1981) – IMDb

テーマは女子プロレス。マネージャー役が刑事コロンボでおなじみピーター・フォーク。イヤな”興行師”(原語では matchmaker)に”Rocky”シリーズで知られるバート・ヤング。

女子プロファンタジーであった。基本的にコミカルなトーン。伏線の張り方とかすごくベタでやり過ぎなくらいなんだけど、笑えるんで良いんじゃないかと。セリフは「さのばびっち」って何回言ってるんだよって…。「ファンタジー」な部分というのは、カリフォルニア・ドールズが全試合常に全力で勝ちに行くところ。

旅をして試合をして、の繰り返しなんだが、試合のシーンが想像以上に長く、映画の中で重要な位置を占めている。その試合部分がちゃんとしてるのだ。一部のロープワークこそ怪しげではあるものの、試合の頭は左でガチっとロックアップから入ったりして。クレジットを見るとMildred Burkeっていう、殿堂入りしてる1930-50年代の女子プロレスラー(!)がアドバイザーとして入っていて、トレーナーが5人もいるんで、相当練習して撮影してるんじゃないだろうか。

カリフォルニア・ドールズの二人の試合コスチュームは過剰なまでのハイレグ。アメリカの女子プロレスはわからないんだけど、おそらく80年頃だとハイレグで試合する女子プロレスラーってのは実際にはいなかったんじゃないかと思う。マグニフィセント・ミミがハイレグはいて登場したのって90年代頭くらいだと思うし… さらに言えば、80年頃だとカリフォルニア・ドールズみたいなキレイな人が女子プロレスはやってなかったんじゃないかと思うんだよなあ。
私が思うに、ロバート・アルドリッチのこの作品での一番強い動機は ハイレグ美女がリングで闘うという妄想を映像にしたい っていうのだったんじゃないかw

ミミ萩原とジャンボ堀が序盤の試合相手として出てくる。クレジットではふたりとも本名だが、まだリングネーム本名だった頃なのかな。ミミの方はやはり画になるのかアップが多く、また、ミミが繰り出す回転エビ固めはストーリー上重要な意味をもつのであった。その回転エビ固め(原語では Sunset Flip と言ってる)なんだけど、この字幕が「回転エビ固め」ってなってるんだ。これ超残念ポイント。

見終わった後は妙に爽快感がある(拍手起きてたからね!)のだけど、これはもうプロレスで得られるカタルシスそのものなんだよなー。

最後、あと一回、10/11(金)に上映。 → KAWASAKIしんゆり映画祭
 
(2015/03 追記)
DVD出る。

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