都築響一といえば「珍日本紀行」でも有名な人であって、それくらいの軽いノリで読み始めたのだが、甘かった。ちょっとやられてしまった。なにしろ第一章から、認知症のお年寄りの言葉をそのまま記録した「痴呆系」っていうもの凄い本の紹介なんで…
もとは雑誌の連載。点取り占い、ヒップホップ、暴走族、見世物小屋の口上、統合失調症患者の詩…と来て、あとがきは相田みつを美術館なのだ。同時に狭く内向きな文学界/現代詩の世界を批判している。
全てが該当するわけではないが、詩の世界でのアウトサイダーアートであるともいえる。
ほとんど引用だけで終わってしまうような章もあることはあるが、そこに引用されている言葉の力といったらほんと恐ろしいくらいだ。