’80年代前半プロレスファンにはおなじみ、フリッツ・フォン・エリック家の「呪い」とは結局何なのかという話。なんとA24でこんな映画が撮られるとは。
例えばエリック兄弟の父への返事は常にyes,sirであったり(実話らしい)、歪みのようなものは色々提示はされていくのだが、殊更にスキャンダラスに描くわけではなく抑制的で、何を読み解くかは観客側に委ねられているようであった。
それにしても悲惨な話だ。基本的なところが実話というのがなんとも…一応映画的には「救い」はあるが。
WCCWの試合やらテレビやら再現度がすごい。キャスト陣の体の仕上がり具合、ムーブなど。ケビンは本物よりマッチョになっているかもしれない。そもそもフリッツ役が本当にフリッツな感じだ。
MJFは元々架空のエリック兄弟としてのシーンが多くあったがほぼ全カットになったらしく。試合のシーンにいたのかな?
MJF、エグゼクティブプロデューサーでもあるので、エンドロールにデカデカとクレジット。その他プロレス関係者ではチャボ・ゲレロJr.がプロレスシーンの監修、ザ・シーク役としても登場(そうとは気付かなかったけど)。ジノ・ヘルナンデスはライアン・ネメス(今年の1.4に来てたね)。
一連の話を事前知識として知らない人がこれを見てどう思うかはわからないが、当時のプロレスを見ていた人には間違いなく刺さる作品。
『アイアンクロー』ショーン・ダーキン監督 試合ごとに撮影方法を変えたプロレスシーン【Director’s Interview Vol.396】|CINEMORE(シネモア)
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