リスクにあなたは騙される―「恐怖」を操る論理
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ダン・ガードナー Dan Gardner
早川書房
売り上げランキング: 733
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原書:Risk: The Science and Politics of Fear
著者はカナダ人。リスクが小さかったとしてもテロ、癌、化学物質…などに現代人はなぜ怯え続けるのか、という話。
一つは人間の進化の過程で埋め込まれた心の働きが関係している、と。「システム・ワン」と「システム・ツー」、「腹」と「頭」の違い。このあたりは「影響力の武器」という本で述べられていたことと基本的に同じだ。
そして、その恐怖を利用する存在。NGOであったり、政府であったり、メディアであったり。そこでまたフィードバックループが発生して…というメカニズムが多くのケーススタディーを用いて説明されている。例えば「むずむず脚症候群」なんてこの前某Y新聞に載ってたばかりだ。病気は製薬会社によって「作られる」のだと言うのはある程度真実なんだろう。
人間がリスクに理性的に対処するというのは本当に難しいのだ。だから恐怖が先行してヒステリックな反応をしてしまったり、するんだ、よ、なぁ!!!そういう傾向が強い人にはぜひ一読してほしいよ。
ちょっと気になったのは、一つの実験がサブリミナル効果の有効性を支持しているように書かれていたところなんだが。そうなの?