エモーショナル・デザイン/ D.A.ノーマン

エモーショナル・デザイン―微笑を誘うモノたちのために
ドナルド・A. ノーマン Donald A. Norman 岡本 明 伊賀 聡一郎 安村 通晃 上野 晶子
新曜社
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ノーマンといえば「誰のためのデザイン?」はもうユーザビリティ分野の古典みたいになっているが、この本では、ノーマン自身がちょっと宗旨替えしている。デザイン上の側面を本能レベル、行動レベル、内省レベルの三段階で考え、これまでの自身の論を主に行動レベルに対応するものと位置づけた。より「情動」を強調し、「使いやすさ」というよりは「魅力」のようなものがテーマになっている。かつてのユーザビリティ論は後退している。

モデル自体は納得できるものだが、中盤の議論というのはどうも「情動」というキーワード以外に焦点が見えてこないような気がする。エッセイを並べただけのような散漫な感じ。その中でも、依然としてノーマンが最も説得力をもって語れているのは「行動レベル」での議論に思える。
最初と最後は良いと思うんだけどね….

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