ちゃぶ台返し環境の構築

長らく消失しておりましたが、このたびblogのエントリとして再掲するであります

ちゃぶ台返し環境の構築

1.はじめに

職場環境の改善を考えたとき、ストレスマネジメントが重要な問題として挙げられる。
今回、この問題に対して、職場におけるちゃぶ台返し環境を提案し、プロトタイプ構築および定性的評価を行なったので報告する。

2. ちゃぶ台返し環境

2.1. ちゃぶ台返し

ちゃぶ台返しとは日本の一般家庭において父親が突発的にちゃぶ台をひっくり返すことを指す。ちゃぶ台返しは日本の家父長制とともに発展した示威的行為であると言えよう。この行為は2つの特性を持つ。

  • 本人の破壊衝動の充足
  • 周囲に対する威嚇

これらの特性は、職場におけるストレスの解消に寄与する可能性がある。
そこで、ちゃぶ台返し環境を職場に構築し、その効果を評価することを試みた。

2.2. 要件

ちゃぶ台返し環境の要件として、以下が挙げられる。
即時性
ちゃぶ台返しは本質的に感情の発露であるため、即時に行なわれるべきである。一瞬の気の迷いもあってはならない。これに対応した環境が必要となる。
可搬性
ちゃぶ台返し環境は持ち運び可能でなければならない。職場においてストレスがピークに達するのは、上司との面談や会議においてであり、これらは通常別室で行なわれる可能性が高いからである。
達成感
ちゃぶ台をひっくり返すことにより、達成感、ひいてはカタルシスが得られなければならない。このためには、「やっちまった感」およびフィードバック感を与える環境が必要となる。

3. プロトタイプ

3.1. ちゃぶ台の選定

タイムスリップグリコのちゃぶ台とドールハウス用のちゃぶ台を候補とした。タイムスリップグリコについては、その時点で発売から時間が経過しており入手困難であったこと、ややサイズが小さいためフィードバック感が得られない可能性があることから除外し、次のドールハウス用ちゃぶ台を選定した。

3.2. パーツの追加

ちゃぶ台単体ではやや軽く、フィードバック感が不足している。また、何回も返すことでちゃぶ台の損傷が懸念される。このため、以下に示すドールハウス用パーツを追加することとした。

コンロつき鍋を追加することで、コンロ部の重みによるフィードバック感向上に加え、よりデンジャラスな雰囲気を醸し出すという副次的な効果もあった。
また、畳表は本物のイグサを用いているため、その香りによる、俗に言う「癒し効果」も期待できる。
鍋つきちゃぶ台

4. プロトタイプの運用

4.1. 設置

2002年12月から2003年6月まで、実験者の職場の机上に、ちゃぶ台、鍋、畳を設置した。

4.2. 運用

主に周囲からの理不尽な要求の直後、衆人監視のもとにちゃぶ台返しを遂行した。
ちゃぶ台を指でひっくり返し中 ちゃぶ台をひっくり返したところ
この過程で、タイムスリップグリコの「かき氷」を組み合わせたバージョンも構築した。このバージョンでは「やっちまった感」が非常に高まるが、ちゃぶ台上のパーツが細かく多数であるため、現状復帰に時間がかかり、かえってストレスがたまるというデメリットがある。
かき氷つきちゃぶ台 かき氷つきちゃぶ台をひっくり返したところ

4.3. デスクトップのビオトープ化

運用過程で、実験者の予期しない事態が発生した。
ある日、何者かによってちゃぶ台の上に「ジャイアンリサイタル」フィギュアが置かれたのである。これにより、ちゃぶ台はジャイアンのステージと化し、当初の目的が失われた。以後、「観客」としてザク、ドム、多数のケロヨンが置かれるに至り、実験者の机は混沌状態になった。実験者は、この事態を「デスクトップのビオトープ化」と呼んでいる。
なお、もとのちゃぶ台を撤去した後も、机上の混沌状況は変化していない。
ジャイアンのステージと化したちゃぶ台(再現)

5. 今後の展開

今後は、次の2点を目標とし、よりロバストなちゃぶ台返し環境を目指したい。

  • ブロークンウィンドウ理論に基づく「デスクトップのビオトープ化」対策の探求
  • ちゃぶ台返しの定量的評価手法確立

(2004.1 受理)