
BS&Tが東欧ツアーをやって、それがニクソン政権下の米国務省のプログラムであったことから、反体制な信条を持つロックファンからの信頼を失い失墜していくという話。なのだが、この東欧ツアーの模様が映画化を目論んで撮られていた。その封印された映像がふんだんに使われているだけでなく、米政府の多くの機密文書も取材対象としている。さらに、中心メンバーが割とみんな元気でありインタビューがちゃんと取れている結果、かなり綿密なドキュメンタリーとなっていた。
東欧各国で反応も違ったようだが、印象的なのはチャウシェスク独裁政権のルーマニア。鬱積した人々の不満が音楽の力で爆発してしまい、客が帰らず、そこに憲兵が犬を放ち…みたいな状態で、その映像もあったり。このフィルム自体も米側が消されないように密輸したという…
見る前はどうかなと思っていたが、非常に興味深いドキュメンタリーだった。
BS&Tの歴史についてはごく軽く触れられている程度だが、創設者であるAl Kooperはボーカル取らせてくれないなら辞めると言って辞めてしまったのか…