プロレス少女伝説 / 井田真木子

プロレス少女伝説 (文春文庫)
井田 真木子
文藝春秋
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「心を折る」という表現の初出だと言われている(大和車体工業体育館でのジャッキー佐藤とのセメントマッチに関する神取忍の発言から)。

天田麗文、神取忍、メドゥーサ・ミッシェリーというアウトサイダー的な人たち。そこに「女相撲」と長与千種が絡んでそれぞれの(どれも凄まじい)ストーリーが交錯する、という見事としか言いようのない構成。井田真木子はデラックスプロレスにクラッシュギャルズのインタビュー連載していた人でもあり、冷静な視点で描きながらもジャンルに対するリスペクトがにじみ出ている。

天田麗文と神取忍については口調の写し取り方がすごく生々しい。神取口調の語尾「…でよぅ、」はもう声が聞こえてくるかのようだし、それだけでも人となりが伝わる。今更ながら井田真木子の筆力が圧倒的だった。